薬膳のルーツ

 

2000年以上も前に書かれた薬典の『神農本草経』で、食べものとクスリはもともと同じであるという「薬食同源」という言葉が記載されているように、中国では、古くから食事を通じて健康を維持したり、治療に役立ててきました。

 

「薬膳」という言葉が生まれる前までは、食べもので病気の予防をしたり、健康なカラダを維持することを「食養」、食で病気の回復を早めたり、疾病治療の補佐に役立てる「食療」とし、「薬膳」の名が知れわたってきたのは1980年代になってからのことです。

 

この時代に中国で「薬膳レストラン」がオープンしたり、『中国薬膳学』という薬膳本が発行され、最近では世界各国で薬物のエビデンスが解明されはじめています。

 

日本でも偏った食生活で起こる生活習慣病や、アトピーなどのアレルギー性疾患などにも薬膳の利点が取り入れられつつありますが、今後、科学的な根拠をもつ現代栄養学との連立や調和が期待されるとともに、一般にも深く生活に根付いて……いければガイドの私としても本望です。

 

なお、薬膳や漢方薬には、食材の性能を「四性」(しせい)や「五味」(ごみ)でしめす独特のものさしがあります。次回は特性をふまえた薬膳のポイントをご紹介しましょう!